GO斉藤のIR背負い投げ

GO齋藤のIR背負い投げVol.28 「SAYONARA」

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 2013年11月に始まったIRブログ「GO齋藤のIR背負い投げ」も早3年が経とうとしております。決算内容を分かりやすく説明すること、普段何を考えているのかを平易に伝えようという建て付けで勝手気ままに書いてきました。そんなIR背負い投げも、諸々の事情により今回が最終回となります(若手社員がIR横四方固めとかを始めてくれることを密かに願ってはおりますが)。

 最終回は「スタートトゥデイの将来」について語らせてもらえればと思っています。個人的なことですが、私がスタートトゥデイと関わりを持ったのは当社に入社する前、セルサイドアナリストだった時になります。東証マザーズに上場して半年ほど経った2008年5月に、Overweightでカバレッジを開始したのが始まりです。当時の時価総額は383億円、目標株価との乖離は43%でした。今振り返れば安すぎですが、当時は「予想PER30倍超なのに・・・成長余地がそんなにあるの?」などと投資家に言われていたのが懐かしいです。結果はご承知の通りで、目標株価低すぎでしたね。2016年7月には時価総額が一時5,900億円に到達しました。およそ8年で15倍。利益が約12倍になっているので相応のパフォーマンスなのかも知れませんが、今も昔も30%を超えるPERを維持できていることはIR担当者の努力の賜物ではないかと自負しています。管理本部ですのでEPSを増やすためにできることは限られていますが、PERの決定要因の1つである将来に対する成長期待をずっと高い水準で保つべく機関投資家の皆様と建設的な対話を続けてきたことが良かったのかなと思っています。長きに亘りお付き合いしてきて頂いた皆様にはホント感謝深謝でございます。

 これからのスタートトゥデイ、どうなっていくのでしょうか。一つ参考になるのは創業者であり代表取締役である前澤の時間の使い方かも知れませんね。弊社のキャッシュカウは紛れもなくZOZOTOWNです。WEARも古着ビジネスもZOZOTOWNを活性化させるために手掛けているといっても良いかも知れません。しかもこのZOZOTOWNはある程度仕組みが確立されているので、ベースとなる部分で日々あくせくする必要がないのです。そのため、前澤はここに時間を割く必要性があまり高くないのです。極論ある日突然前澤が失踪したとしても、ZOZOTOWNの成長性は何ら毀損しないのではないでしょうか(仕組みで回っていること以外に、残されたマネジメントの多くがしっかりしているという理由もあります)。そのため前澤は基本的に株式市場が見据える将来のもっと先を考えています。昔から掲げている長期計画である商品取扱高5,000億円は現状のビジネスモデル(国内を主戦場にしたファッションEC)の延長線上で到達するつもりですので、前澤は次なるターゲット1兆円をどうやって実現していくかという部分に時間を割いています。単刀直入に言えばZOZOTOWN以外の新しいロケットを生み出すことに力を注いでいます。今ならプライベートブランドや海外がその候補なのかも知れません。WEARのマネタイズもそのうち視野に入ってくるかも知れません(今はないです)。最近のIRでも「前澤社長の時間の使い方は?」という質問をよく受けます。我々はいつも「7〜8割はPBに使っています」と回答しています。ZOZOTOWNがキャッシュカウである間に次なるロケットを準備できれば、将来の期待成長率を更に高めることができますからね。今後どのようなビジネスがスタートトゥデイのドメインに加わるのか注目しておいて下さい。

 最終号ですので、最後は社内を背負い投げしちゃいましょうか。最近は多くのセルサイドアナリストに注目していただき、レポートも多数執筆いただいているのは前回の背負い投げに記載の通りです。しかし、誰も書いていない弊社の強み、そして弱みがあります。本当の強みは・・・競合と言われている他社サイトに真似されると困りますので、ここでは教えられません。ヒントはフルフィルメントの領域です。物流施設の見学をしなくても、BSやPLを見ていれば気づく比較優位性があります。海外の同業他社には「どうやったらそんなことができるのか?」とちょいちょい指摘されますが、アナリストレポートで指摘されたことはありません。

 弱みは「人材」です。これは日頃のIRでも「課題は?」と聞かれた時によく伝えているポイントです。今のスタッフがダメという意味ではありません。社員の皆怒らないで下さいね。弊社はご承知の通りやっている自分たちが驚くほど高成長を続けてきました。そのため、社員の力も頭数も常に後追いになっていることは事実です。ある程度仕組みで回っているので、収益性の悪化などには現れていませんが、今後どこかで問題が起きてくる可能性はあり得ます。当然マネジメントは数年前からその部分に危機感を感じており、役員合宿を実施したり、若手・中堅向けの勉強会を実施したり、前澤自ら経営哲学をレクチャーする「友作塾」を開講したりと様々なことに取り組んでいます。しかし、想像と創造が求められるファッション領域においては、自らが能動的に動かねばなりません。与えられたことをコンプリートするだけではダメです。ここ数年、弊社の新卒採用では数千人のエントリーから10〜30人を採用していますので、ある意味ピカピカの「金の卵」を採用できているはずです。しかし、その卵がきちんと孵化し、立派なガチョウに育てることができなければ、ZOZOTOWNもあっという間にマチュアとなってしまうかも知れません。皆、頑張ってね。とくに若い人!シニア社員は老害とならないよう気をつけて下さいね。

ではさようなら。

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